訳あり不動産とは

「うちの家は訳あり物件かもしれない」と言われても、何がどう当てはまるのかは、なかなか分かりにくいものです。まず、どんなものがそう呼ばれているのかから見ていきます。

まず結論

「訳あり不動産」は、不動産の取引の場で使われている呼び方で、法律で定められた言葉ではありません。当サイトが確認した範囲(宅地建物取引業法・民法・建築基準法・借地借家法・不動産登記法・地方税法)に、 この言葉を定義した条文はありませんでした。

実際に使われるときは、「買いたい人が見つかりにくい事情を抱えた不動産」を広く指しています。 その「事情」は、物件そのものの性質によるものと、権利関係によるものに大きく分かれます。

当サイトが扱う5つのタイプ

当サイトでは、次の5つを扱っています。 それぞれ「なぜ売りにくいのか」の理由が違うため、分けて整理しています。

事故物件

過去にその建物で人が亡くなったことがある物件を、一般にこう呼びます。

売りにくくなる理由買主や借主がどう受け取るかに関わるため、伝えるべきかどうかの判断が難しくなります。国土交通省は2021年(令和3年)10月に、不動産会社が人の死をどう告げるかについてのガイドラインを出しています。

共有持分

1つの不動産を複数人で共有しているときの、そのうち1人分の権利です。

売りにくくなる理由民法では、共有物に変更を加える行為には他の共有者の同意が要るとされています。一方で、自分の持分そのものをどうするかは各共有者が決められます。この差が分かりにくく、話が進まなくなりがちです。

再建築不可

いま建っている建物を取り壊すと、新しい建物を建てられない土地です。

売りにくくなる理由建築基準法は、建築物の敷地が道路に2メートル以上接していることを求めています。これを満たさない土地では、建築確認が下りません。

借地権・底地

他人の土地を借りて建物を建てている側の権利が借地権、その土地を貸している側の所有権が底地です。

売りにくくなる理由民法では、賃借権を譲り渡すには賃貸人の承諾が要るとされています。売りたい側だけでは決められない場面が出てきます。

相続した空き家

相続で受け継いだまま、住む人がいない状態になっている家です。

売りにくくなる理由2024年(令和6年)4月1日から相続登記の申請が義務化されており、名義が前の所有者のままだと売却の手前で止まります。固定資産税の住宅用地に対する特例など、持ち続けることの負担にも関わります。

「売りにくい」は「売れない」ではありません

上のどれに当てはまる場合でも、売る方法がないわけではありません。ただし、普通の売買と同じ進め方では止まってしまうことがあり、どこで止まるのかが、タイプごとに違います。

たとえば再建築不可であれば止まるのは接道の要件であり、借地権であれば地主の承諾です。 共有持分なら他の共有者との関係、相続した空き家なら登記の名義です。先に「どこで止まるのか」を知っておくと、次に何をすればよいかが決めやすくなります。

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