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相続した空き家をそのままにしておくと、どうなりますか?

相続空き家基礎公開日: 2026年9月15日

とりあえずそのままにしている。誰にも迷惑はかけていないつもりだけれど、それで大丈夫なのか気になりますよね。

まず結論

期限のあるものが2つあります。相続登記の申請義務と、固定資産税の住宅用地特例です。

相続登記は3年以内に申請する義務があり、怠ると10万円以下の過料の対象です。また勧告を受けると、その敷地は住宅用地特例から外れます。

何が、どの時点で変わるのか

1つめ: 相続登記(不動産登記法) 自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、所有権を取得したことを知った日から3年以内に申請する

分割がまとまらない場合 登記官に相続人である旨を申し出ると、義務を履行したものとみなされる(第76条の3)

怠った場合 正当な理由がないときは10万円以下の過料(第164条第1項)

2つめ: 固定資産税の住宅用地特例(地方税法) 住宅用地は、200平方メートル以下の部分が価格の6分の1、超える部分が3分の1

指導の段階 条文上の扱いは変わらない

勧告を受けた段階 その敷地は「住宅用地」から除かれる(特例が外れる)

2つめの分かれ目は「指導」ではなく「勧告」です。通知が来たら、どちらなのかを確かめてください。

そのままにした場合に関わる、2つの期限と分かれ目です。

相続登記には期限があります

不動産登記法第76条の2第1項は、次のように定めています。

所有権の登記名義人について相続の開始があったときは、当該相続により所有権を取得した者は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、当該所有権を取得したことを知った日から三年以内に、所有権の移転の登記を申請しなければならない。

第2項は、法定相続分に応じた登記がされた後に遺産の分割があったときは、その分割によって相続分を超えて所有権を取得した者は、遺産の分割の日から3年以内 に登記を申請しなければならないとしています。

そして第164条第1項は、第76条の2第1項・第2項の申請をすべき義務がある者が 正当な理由がないのにその申請を怠ったとき は、10万円以下の過料 に処すると定めています。

遺産分割がまとまらないときの受け皿

第76条の3第1項は、登記を申請する義務を負う者は、登記官に対し、相続が開始した旨と自らが相続人である旨を申し出ることができる としています(相続人申告登記)。

第2項は、3年の期間内にこの申出をした者は、登記を申請する義務を履行したものとみなす としています。

つまり、遺産分割がまとまらなくても、期限に対応する方法が条文に用意されています。 ただし第4項により、その後の遺産分割で所有権を取得したときは、分割の日から3年以内に登記の申請が必要です。この第4項の申請も、第164条第1項の過料の対象に含まれています。

固定資産税の扱いが変わる場合があります

地方税法第349条の3の2は、住宅用地の固定資産税の課税標準を、200平方メートル以下の部分は価格の6分の1、それを超える部分は3分の1とする特例を定めています。

ただし同条第1項の括弧書きは、空家等対策の推進に関する特別措置法第13条第2項により勧告された管理不全空家等 と、同法第22条第2項により勧告された特定空家等 の敷地を、「住宅用地」から 除く と定めています。

「管理不全空家等」は、2023年(令和5年)12月13日に施行された改正で設けられた区分です。指導の段階ではなく、勧告を受けた時点で条文上の扱いが変わります。

実際に、多くが相続で空き家になっています

国土交通省の「令和6年空き家所有者実態調査」(令和7年8月公表)によれば、空き家の取得方法は 「相続」で取得した世帯の割合が約58%と最も高く、次いで「新築・建て替え」が約17%、「既存住宅を購入」が約14%となっています。

建築時期別に見ると、1950年以前の空き家では「相続」で取得した割合が約79%、2011年以降では約26%で、建築時期が古くなるほど「相続」が増加する傾向 が示されています。

確認する順番

  1. 登記事項証明書で、名義が誰になっているかを確認する
  2. 相続の開始を知った日を確認する(3年の起算点に関わります)
  3. 遺産分割の見通しが立たない場合は、相続人申告登記を検討する(第76条の3)
  4. 自治体から指導や勧告の通知が来ていないかを確認する
  5. 売却も含めて、今後どうするかを考える

そのままにした場合に関わる規定

相続した空き家をそのままにした場合に関わる法律の規定(2026年9月時点)
事項内容根拠
相続登記の申請義務相続の開始を知り、かつ所有権の取得を知った日から3年以内不動産登記法 第76条の2第1項
遺産分割後の登記分割の日から3年以内同条第2項
怠った場合正当な理由がないときは10万円以下の過料同法 第164条第1項
分割がまとまらない場合相続人である旨の申出で義務を履行したものとみなされる同法 第76条の3第1項・第2項
申出の後に遺産分割で取得した分割の日から3年以内に登記を申請する(過料の対象)同法 第76条の3第4項・第164条第1項
勧告を受けた管理不全空家等・特定空家等の敷地住宅用地から除かれる(6分の1・3分の1の特例が外れる)地方税法 第349条の3の2第1項

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