地主が承諾してくれない場合、どうすればいいですか?

借地権・底地注意点公開日: 2026年9月15日

地主さんが首を縦に振ってくれない。ここで止まってしまうのか、別の道があるのか。知りたいところですよね。

まず結論

裁判所に、地主の承諾に代わる許可を申し立てる手続があります(借地借家法第19条)。

条件は、第三者が賃借権を取得しても借地権設定者に不利となるおそれがないことです。ただし、地主が自ら買い取る申立てをする場合があります。

裁判所が見るものは、条文に書かれています

「地主が承諾しないなら許可が出る」という仕組みではありません。入口の条件と、考慮しなければならない事情の2段構えになっています。

入口の条件(第19条第1項) 第三者が賃借権を取得し、又は転借をしても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、承諾しないとき

考慮しなければならない事情(第19条第2項) ・賃借権の残存期間
・借地に関する従前の経過
・賃借権の譲渡又は転貸を必要とする事情
・その他一切の事情

手続(第19条第6項) 裁判所は、特に必要がないと認める場合を除き、裁判の前に鑑定委員会の意見を聴かなければならない

承諾に代わる許可(利益の衡平のため、財産上の給付に係らしめられることがある)

「従前の経過」が挙げられているため、地代の支払状況や地主とのやり取りの経緯が判断に関わり得ます。承諾しない理由に合理性がある場合まで許可されるわけではありません。

裁判所が承諾に代わる許可を判断するときに見るものです。

申し立てると、地主が買い取る側に回ることがあります

第19条第3項は、借地権者の申立てがあった場合において、裁判所が定める期間内に 借地権設定者が自ら建物の譲渡及び賃借権の譲渡又は転貸を受ける旨の申立て をしたときは、裁判所は、相当の対価及び転貸の条件を定めて、これを命ずることができる と定めています(介入権と呼ばれます)。

競売や公売で取得した場合の規定もあります

第20条第1項は、第三者が競売または公売により借地上の建物を取得した場合において、その第三者が賃借権を取得しても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず地主が承諾しないときは、その第三者の申立てにより 裁判所が承諾に代わる許可を与えることができると定めています。

第3項は、この申立ては 建物の代金を支払った後2か月以内に限り、することができる としています。期間の制限がある点に注意してください。第2項により、第19条第2項から第6項までの規定が準用されます(地主の介入権も準用されます)。

進め方の順番

  1. 地主が承諾しない理由を確認する。地代や契約の経緯に関することであれば、先に整理できる場合があります
  2. 契約書と地代の支払記録を揃える(第19条第2項の「従前の経過」に関わります)
  3. 弁護士に相談し、第19条の申立てを検討する。当サイトでは個別の見通しは示しません
  4. 地主の介入権を踏まえて考える(第19条第3項・第5項)
  5. 競売・公売で取得した場合は、代金支払後2か月の期間に注意する(第20条第3項)

承諾が得られない場合に使える手続

借地借家法が定める、承諾に代わる許可の手続
第19条(譲渡・転貸の許可)第20条(競売・公売で取得した場合)
申し立てる人借地権者競売・公売で建物を取得した第三者
条件賃借権を取得しても借地権設定者に不利となるおそれがないこと
期間の制限条文上の定めなし建物の代金を支払った後2か月以内
地主側の対抗手段自ら譲渡を受ける旨の申立てができる(第3項)第19条第3項が準用される(第20条第2項)
金銭許可が財産上の給付に係らしめられることがある財産上の給付を命じられることがある
鑑定委員会特に必要がないと認める場合を除き、意見を聴かなければならない

この記事の情報源

制度は改正されることがあります。お手続きの前に、最新の情報をそれぞれの発表元でご確認ください。