借地権を売るのに、地主の承諾は必要ですか?

借地権・底地売却方法公開日: 2026年9月15日

地主さんに話を切り出すのが気が重い。承諾してもらえなかったらどうなるのか、先に知っておきたいですよね。

まず結論

必要です。民法第612条第1項は、賃借人は賃貸人の承諾を得なければ賃借権を譲り渡すことができないと定めています。

ただし、承諾が得られない場合には、裁判所に承諾に代わる許可を申し立てる手続が借地借家法第19条にあります。

承諾が得られない場合も、道は用意されています

まず地主に相談する

承諾が得られた 裁判所の手続は不要(承諾料を求められることがある)

承諾が得られない 借地借家法第19条の申立てを検討できる

第19条第1項の申立て 第三者が取得しても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず承諾しないとき、裁判所は承諾に代わる許可を与えることができる

許可が出る(利益の衡平のため、財産上の給付に係らしめられることがある)

地主が自ら買い取る旨の申立てをする(第19条第3項)

無断で譲渡すると、賃貸人は契約の解除をすることができます(民法第612条第2項)。承諾を取ることは、省略できない部分です。

承諾が得られない場合に進める手続の分かれ方です。

原則は条文に書かれています

民法第612条第1項は「賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない」と定めています。

同条第2項は、これに違反して第三者に賃借物の使用または収益をさせたときは、賃貸人は、契約の解除をすることができる としています。

借地権(賃借権としての借地権)を売ることは、賃借権の譲渡に当たります。

承諾に代わる許可(借地借家法第19条)

借地借家法第19条第1項は、次のように定めています。

借地権者が賃借権の目的である土地の上の建物を第三者に譲渡しようとする場合において、その第三者が賃借権を取得し、又は転借をしても 借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡又は転貸を承諾しないときは、裁判所は、借地権者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可 を与えることができる。

借地非訟と呼ばれる手続です。同項の後段は、当事者間の利益の衡平を図るため必要があるときは、借地条件の変更を命じ、または その許可を財産上の給付に係らしめることができる としています。許可にあたって金銭の支払が条件とされることがある、ということです。

第2項は、裁判所はこの裁判をするには、賃借権の残存期間、借地に関する従前の経過、賃借権の譲渡又は転貸を必要とする事情その他一切の事情を考慮しなければならない としています。

第6項は、裁判所は特に必要がないと認める場合を除き、裁判をする前に 鑑定委員会の意見を聴かなければならない としています。

進め方の順番

  1. 契約書で、譲渡についての取り決めを確認する
  2. まず地主に相談する。承諾が得られれば、裁判所の手続は不要です
  3. 承諾料の話が出たら、金額と根拠を確認する
  4. 承諾が得られない場合に、第19条の申立てを検討する。弁護士に相談して判断してください
  5. 地主が自ら買い取る申立てをする可能性も踏まえて考える(第19条第3項・第5項)

承諾をめぐる2つの道

借地権を譲渡する場合の手続(民法・借地借家法で確認できる範囲)
地主の承諾を得る裁判所の許可を得る
根拠民法 第612条第1項借地借家法 第19条第1項
前提地主が承諾すること第三者が取得しても借地権設定者に不利となるおそれがないこと
金銭承諾料が求められることがある許可が財産上の給付に係らしめられることがある(第19条第1項後段)
考慮される事情賃借権の残存期間、従前の経過、譲渡を必要とする事情その他一切の事情(第19条第2項)
地主側の対抗手段自ら建物と賃借権の譲渡を受ける旨の申立てができる(第19条第3項)。その裁判の後は合意がなければ取り下げられない(第5項)
無断で譲渡した場合賃貸人は契約の解除をすることができる(民法第612条第2項)

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