再建築不可物件は、相場の何割くらいで売れるのですか?

再建築不可データ整理公開日: 2026年9月15日

建て替えられない土地は、いくらになるのか。「相場の何割」という話をよく見かけますが、本当なのか気になりますよね。

まず結論

「相場の何割」という公的な統計は見つかりませんでした。

取引価格情報に前面道路の項目はありますが、接道義務を満たしているかを示す項目がないためです。一方で、周辺の取引価格は誰でも確認でき、比較の土台にできます。

なぜ「何割」という数字が公的に出てこないのか

再建築不可の土地の価格について、「相場の何割程度」という説明を見かけます。当サイトでは、これを裏づける公的な統計を探しましたが、見つけられませんでした。

理由はデータの作りにあります。国土交通省が公開している不動産取引価格情報は、取引当事者へのアンケート調査をもとに蓄積されたもので、提供される項目は所在地(町・大字レベル)、取引時期、取引価格(有効数字2桁)、土地の面積・形状、建物の用途・構造、床面積、建築年、前面道路、最寄駅、用途地域、建ぺい率、容積率などです。

前面道路の項目はありますが、その土地が建築基準法第43条の接道義務を満たしているかどうかを示す項目はありません。 そこから再建築不可の取引だけを抜き出して平均することはできない仕組みです。

そのため当サイトでは、値引き率を自前で推計することはしません。

金額の差は、その土地固有の条件から生まれます

「再建築不可だから何割」という一律の関係ではなく、同じ再建築不可の中でも条件が違います。

前面道路はどの区分か(自治体の窓口で確認できる)

第42条第2項のみなし道路 後退したうえで建てられる可能性がある(建てられる面積は小さくなる)

建築基準法上の道路に当たらない 第43条第2項の認定・許可の対象になり得るかが次の分かれ目

そのほかに金額を分けるもの 隣地と一体で使える見込みがあるかどうか/引渡しの時期

これらは自治体の窓口で確認できる事実。確認した内容を伝えて複数社に聞くほうが、金額の差の理由が見えやすくなる

買い手がその土地に何を見込んでいるかによって、提示額の根拠は変わります。

金額の差がどこから生まれるかを示した図です。

代わりに確かめられる数字

周辺の実際の取引価格 は、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」で確認できます。2006年(平成18年)4月から不動産取引価格情報の提供が行われており、2024年(令和6年)4月からはこのサイトで公開されています(それまでの土地総合情報システムは令和6年3月末で廃止されました)。令和7年3月31日現在で約547万件の取引価格情報が提供されています。

その土地自体の評価 は、固定資産税の課税明細書で確認できます。地方税法第349条の3の2により、住宅用地の課税標準は200平方メートル以下の部分が価格の6分の1、それを超える部分が3分の1とされているため、課税標準額から逆算する形になります。

地価公示・都道府県地価調査 も同じサイトで見られます。

確かめる順番

  1. 自治体の窓口で前面道路の扱いと接道の長さを確認する(無料)
  2. 不動産情報ライブラリで、同じ地域の取引価格を見る
  3. 課税明細書で自分の土地の評価額を確認する
  4. 複数社に査定を依頼し、提示額を並べる
  5. 金額の差の理由を聞く

分かることと、分からないこと

価格について、公的な情報で確認できる範囲(2026年9月時点)
知りたいこと公的に確認できるか出所
周辺の実際の取引価格できる(町・大字レベル、有効数字2桁)国土交通省 不動産情報ライブラリ
その地域の地価の動きできる地価公示・都道府県地価調査
自分の土地の評価額できる固定資産税の課税明細書
前面道路の扱い・接道の長さできる(自治体の窓口・無料)建築基準法 第42条・第43条
再建築不可の土地だけの平均価格できない(取引価格情報に接道義務の項目がない)
「相場の何割」という比率公的な統計は見つかりませんでした

この記事の情報源

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