共有持分はいくらで売れますか?価格の考え方を教えてください。
自分の持分だけだと、いくらになるのか。全体の値段から単純に割れるものなのか、見当がつきませんよね。
まず結論
「持分は全体の◯割」といった公的な統計は見つかりませんでした。
一方で、不動産全体の取引価格は国土交通省が公開しており、持分割合は登記事項証明書で確認できます。まずこの2つを土台にする方法があります。
価格の考え方の土台になるもの
自分で確かめられるものが2つあります。そして、その2つを掛け合わせた金額が、そのまま売却価格になるわけではありません。
自分で確かめられる ①
持分割合
登記事項証明書で確認できる
自分で確かめられる ②
不動産全体の取引価格
不動産情報ライブラリで確認できる
掛け合わせると、比較の土台になる金額が出る
ただし、その金額がそのまま持分の売却価格になるわけではない。「全体の◯割」という比率を示した公的な統計は見つかりませんでした
言い当てるための数字ではなく、提示された金額がその土台に対してどの位置にあるかを見るための数字です。
不動産全体の価格 は、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」で確認できます。2006年(平成18年)4月から不動産取引価格情報の提供が行われており、2024年(令和6年)4月からはこのサイトで公開されています(それまでの土地総合情報システムは令和6年3月末で廃止されました)。
なぜ「◯割」という数字が公的に出てこないのか
共有持分の価格について、「全体の◯割程度」という説明を見かけることがあります。当サイトでは、これを裏づける公的な統計を探しましたが、見つけられませんでした。
理由はデータの構造にあります。国土交通省が公開している不動産取引価格情報は、取引当事者へのアンケート調査をもとに蓄積されたもので、提供される項目は所在地(町・大字レベル)、取引時期、取引価格(有効数字2桁)、土地の面積・形状、建物の用途・構造、床面積、建築年、前面道路、最寄駅、用途地域、建ぺい率、容積率などです。
この中に「共有持分だけの取引かどうか」を示す項目はありません。 令和7年3月31日現在で約547万件の取引価格情報が提供されていますが、そこから持分だけの取引を抜き出して平均することはできません。
そのため当サイトでは、持分の価格水準を自前で推計することはしません。
金額の差がどこから来ているのかを聞くことも有効です。民法第256条・第258条により、持分を買った人はいつでも分割を請求でき、協議が調わなければ裁判所の手続に進み得ます。買主側にとって、その先に何が必要かは事案によって変わります。
確かめる順番
- 登記事項証明書で持分割合を確認する
- 不動産情報ライブラリで、同じ地域の取引価格を見る(無料で閲覧できます)
- 広さ・築年・駅からの距離が近い取引を数件選ぶ。有効数字2桁なので、細かい比較には向きません
- 複数社に査定を依頼し、提示額を並べる。1社だけでは、高いか低いかを判断できません
- 金額の差の理由を聞く
分かることと、分からないこと
| 知りたいこと | 公的に確認できるか | 出所 |
|---|---|---|
| 自分の持分割合 | できる | 登記事項証明書 |
| その地域の不動産全体の取引価格 | できる(町・大字レベル、有効数字2桁) | 国土交通省 不動産情報ライブラリ |
| その地域の地価の動き | できる | 地価公示・都道府県地価調査 |
| 共有持分だけの取引の平均価格 | できない(取引価格情報にその項目がない) | — |
| 「全体の◯割」という比率 | 公的な統計は見つかりませんでした | — |
この記事の情報源
- 国土交通省「不動産取引価格情報提供制度」(2026年9月14日 確認)
- 国土交通省「不動産情報ライブラリ」不動産取引価格情報(2026年9月13日 確認)
- 民法 第256条・第258条(e-Gov 法令検索)(2026年9月14日 確認)
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