共有者と連絡が取れない、話し合いがまとまらない場合どうすればいいですか?

共有持分注意点公開日: 2026年9月15日

連絡がつかない共有者がいると、そこで止まってしまう。もうどうにもならないのだろうか、と思いますよね。

まず結論

話し合いが調わないときは、裁判所に共有物の分割を請求できます(民法第258条)。

共有者を知ることができない、所在が分からない、催告しても返事がない場合については、2023年4月1日施行の改正で、裁判所の関与による手続が民法に設けられています。

状況ごとに、別の条文が用意されています

「連絡が取れない」で止まってしまう状態を減らすための改正が行われました。どの条文を使えるかは、相手の状況で決まります。

相手はどういう状況か

連絡はつくが、合意できない 協議が調わない/協議をすることができない

裁判所に共有物の分割を請求できる(第258条第1項)

連絡はつくが、返事がない 相当の期間を定めて賛否を明らかにすべき旨を催告したが、その期間内に賛否を明らかにしない

裁判所の裁判により、その者以外の持分の価格の過半数で管理に関する事項を決められる(第252条第2項第2号)

誰が共有者か分からない/所在が分からない

裁判所の裁判により、その者以外の同意で共有物に変更を加えられる(第251条第2項)

裁判所の裁判により、所在等不明共有者の持分を取得できる(第262条の2第1項)

2つめの「返事がない」に注目してください。連絡はついても返事が来ない場合が、手続の出発点になり得ます。

共有者との状況ごとに、民法がどの手続を用意しているかの図です。

改正の位置づけ

法務省は、所有者不明土地の解消に向けて民事基本法制の見直しを行い、民法等の一部を改正する法律(令和3年法律第24号) が成立・公布されました。共有制度の見直しを含む部分は 2023年(令和5年)4月1日に施行 されています。

第262条の2第1項は、不動産が数人の共有に属する場合において、共有者が他の共有者を知ることができず、またはその所在を知ることができないときは、裁判所は、共有者の請求により、その共有者に、所在等不明共有者の持分を取得させる旨の裁判をすることができると定めています。請求をした共有者が2人以上あるときは、各共有者の持分の割合で按分して取得させるとされています。

話し合いが調わない場合の分割請求

所在が分かっていても合意できない場合は、第258条です。第1項は、共有物の分割について協議が調わないとき、または協議をすることができないときは、裁判所に分割を請求できるとしています。

裁判所が命じられる方法は、現物を分割する方法と、共有者に債務を負担させて他の共有者の持分の全部または一部を取得させる方法の2つで、これらによれないとき、または分割によって価格を著しく減少させるおそれがあるときは、競売を命ずることができます(第3項)。

進め方の順番

  1. 登記事項証明書で、共有者と持分を確認する
  2. 連絡がつく相手には、期間を定めて賛否を求める。返事がない場合の手続が第252条第2項に定められています
  3. 相続がからむ場合は、相続開始の時期を確認する。第262条の2は相続開始から10年を経過していないと使えません
  4. 裁判所の手続を使うかどうかを、弁護士に相談して決める。当サイトでは個別の事案の判断は行いません
  5. 並行して、自分の持分を売る選択肢も検討できる。持分の譲渡に他の共有者の同意を求める条文はありません

状況別に、民法が用意している手続

共有者と話が進まない場合に、民法が定めている手続(2023年4月1日施行の改正を含む)
状況民法の規定条文
協議が調わない/協議ができない裁判所に共有物の分割を請求できる第258条第1項
共有者を知ることができない/所在が不明裁判所の裁判により、その者以外の同意で変更を加えられる第251条第2項
催告しても期間内に賛否を明らかにしない裁判所の裁判により、その者以外の持分の過半数で管理を決められる第252条第2項
所在等不明共有者の持分を取得したい裁判所の裁判により取得できる(時価相当額の支払請求を受ける)第262条の2
相続開始から10年を経過していない第262条の2の裁判はできない第262条の2第3項

この記事の情報源

制度は改正されることがあります。お手続きの前に、最新の情報をそれぞれの発表元でご確認ください。