事故物件は相場よりどれくらい安くなるのですか?
「事故物件は相場より安くなる」とよく聞くけれど、実際どれくらいなのか。そこが分からないと、提示された額の見当もつきませんよね。
まず結論
「相場より何割安くなる」という公的な統計は見つかりませんでした。
値引き率を示した数字は出回っていますが、出所をたどれるものは確認できていません。一方で、周辺の実際の取引価格は国土交通省が公開しており、誰でも確かめられます。
公的な統計が見つからなかった、と書く理由
過去に人の死があった住宅の価格について、「相場の◯割」といった数字がしばしば紹介されています。当サイトでは、これを裏づける公的な統計を探しましたが、見つけられませんでした。
見つからなかった理由は、データの取り方を見ると分かります。
集めているもの 不動産取引の当事者へのアンケート調査。令和7年3月31日現在で約547万件(5,468,916件)
提供される項目 所在地(町・大字レベル)/取引時期/取引価格(有効数字2桁)/土地の面積・形状/建物の用途・構造/床面積/建築年/前面道路/最寄駅/用途地域/建ぺい率/容積率 など
この項目のなかに、過去に人の死があったかどうかを示すものはない
そのため、「事故物件だけを抜き出して平均する」ことができない仕組みになっている
このため当サイトでは、値引き率の数字を自前で推計することはしません。
代わりに確かめられること
価格そのものを言い当てることはできませんが、比較の土台になる数字は公開されています。
国土交通省は、2006年(平成18年)4月より不動産取引価格情報の提供を行っており、2024年(令和6年)4月からは 「不動産情報ライブラリ」 で公開しています(それまで掲載していた土地総合情報システムは令和6年3月末で廃止されました)。地図から地域を選んで、実際の取引価格を見ることができます。
つまり、次のことは自分で確認できます。
- 同じ地域で、似た広さ・築年の物件がいくらで取引されたか
- その地域の取引価格が、ここ数年でどう動いているか
提示された金額が妥当かどうかを考えるとき、この2つを知っているかどうかで、話の見え方が変わります。
価格を確かめる順番
- 不動産情報ライブラリで、同じ地域の取引価格を見る(無料・登録不要で閲覧できます)
- 広さ・築年・駅からの距離が近い取引を数件選ぶ。有効数字2桁なので、細かい比較には向きません
- 複数の会社に査定を依頼し、提示額を並べる。1社だけでは、その額が高いのか低いのか判断できません
- 金額の差がどこから来ているのかを聞く。解体や片付けを見込んでいるか、引渡しの時期はいつかで、金額は変わります
分かることと、分からないこと
| 知りたいこと | 公的に確認できるか | 出所 |
|---|---|---|
| 周辺の実際の取引価格 | できる(町・大字レベル、有効数字2桁) | 国土交通省 不動産情報ライブラリ |
| その地域の地価の動き | できる | 地価公示・都道府県地価調査 |
| 人の死があった物件だけの平均価格 | できない(取引価格情報にその項目がない) | — |
| 「相場より何割安い」という比率 | 公的な統計は見つかりませんでした | — |
| 自分の物件にいくらの値がつくか | 各社の査定額を比べる方法があります | |
この記事の情報源
- 国土交通省「不動産取引価格情報提供制度」(2026年9月14日 確認)
- 国土交通省「不動産情報ライブラリ」不動産取引価格情報(2026年9月13日 確認)
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