特殊清掃や解体費用は誰がいくら払うのですか?

事故物件費用・税金公開日: 2026年9月15日

片付けや清掃に、いくらかかるのか。それを先に払わないと売れないのか。順番が分からないと動きにくいですよね。

まず結論

費用を負担するのは、原則として物件の所有者です。

金額には公定の仕組みがなく、総務省の調査も「料金相場の見当をつけるのは容易ではない」としています。見積りを取って比べる以外に、事前に確かめる方法は示されていません。

先に片付けるかどうかは、確認してから決められます

「片付けや解体をしてからでないと売れない」と決まっているわけではありません。順番を先に確かめると、必要のない出費を避けられます。

売却の相談先に「現況のまま引き取れるか」を聞く

引き取れる 片付け・解体を先に行う必要はない

必要と言われた 何をどこまで行うのかを具体的に確認する

必要になった場合 複数の事業者から見積りを取る

作業日・作業内容・料金・キャンセル料・追加料金の条件を書面で確認する

片付けや解体が必要かどうかは、売却の相手によって変わります。先に費用をかけてから相談先を探すと、その出費が必要だったのか確かめられません。

片付けや解体を売る前に行うかどうかの、決め方の順番です。

「いくら」を公的に示した資料は、ほとんどありません

総務省行政評価局が2020年(令和2年)3月に公表した「遺品整理のサービスをめぐる現状に関する調査結果報告書」は、料金についてこう述べています。

遺品整理サービスについては、料金について、公定や公認の仕組みは存在しない

同報告書は、調査に協力した69事業者のうち 55事業者 がホームページやチラシに料金の目安を掲載していた一方、掲載していない事業者は「搬出する荷物の量、立地条件によって料金は様々であり、依頼者に誤解を与えないため」などと説明していたと記録しています。そのうえで、依頼しようとする者の立場からは 「料金相場の見当をつけるのは容易ではないのではなかろうか」 と結んでいます。

実際に提供を受けた見積書75例の金額については、10万円から40万円の間の取引が多くなっていたと報告されています。また同報告書が引用する国民生活センターのレポートでは、遺品整理サービスの契約金額の平均は約42万円、実際に支払った金額の平均は約30万円、支払手段の9割以上が即時払いとされています。

なお、この調査の対象は 遺品整理サービス です。国土交通省のガイドラインは、特殊清掃を「孤独死などが発生した住居において、原状回復のために消臭・消毒や清掃を行うサービス」と定義するにあたり、この総務省報告書を出典として挙げていますが、特殊清掃そのものの料金を調べた公的な統計は見つかりませんでした。

建物の解体費用についても、全国的な相場を示した公的な統計は見つかりませんでした。

追加料金でもめやすい、と国が記録しています

同報告書は「(8) 追加料金」という項目を設けており、契約が「細かく積算したものから、大まかに一式というようなものまで」様々であることが トラブルの要因の一つ だとしています。

事業者側の回答には「見積りとの相違は事業者側の落ち度であり一切請求しない」というものがある一方、見積書に「見積書発行日以降に新たな業務が発生する場合は、追加料金を請求します」と記載している例も挙げられています。

売却するなら、費用の扱いも確認できます

売ったときの税金を計算する際、一定の費用は 譲渡費用 として差し引けます。国税庁は譲渡費用の例として、次のものを挙げています。

費用の負担と、確認できる情報

費用の種類ごとの、公的資料で確認できる範囲(2026年9月時点)
費用負担する人公的資料で確認できる金額
遺品整理原則として所有者・相続人見積書75例では10万〜40万円の取引が多い(総務省・2020年)。統計手法によるものではなく、実績値ではないと同報告書が注記。公定の仕組みはない
特殊清掃原則として所有者・相続人料金を調べた公的統計は見つかりませんでした
建物の解体原則として所有者全国的な相場を示した公的統計は見つかりませんでした
仲介手数料依頼者(売主)法律で上限が定められている(宅地建物取引業法第46条)

この記事の情報源

制度は改正されることがあります。お手続きの前に、最新の情報をそれぞれの発表元でご確認ください。